マシュウ・カスバート驚く 第1話
緑も本格的に色づき始めた6月の初旬、 ブライトリバーという小さな駅に降り立つ少女がいた。 彼女の名はアン。 ノヴァスコシアの孤児院からやって来た孤児である。 同じ頃、 カスバート家のマシュウは、 時ならぬ正装で一人馬車を駆っていた。 ブライトリバーの駅まで、 農作業を手伝ってくれる男の子を迎えに行くためである。 だが、 彼を待っていたのは真剣な眼のアンであったのだ……。
赤毛のアン·Fuji TV
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1シーズン · 50話
緑も本格的に色づき始めた6月の初旬、 ブライトリバーという小さな駅に降り立つ少女がいた。 彼女の名はアン。 ノヴァスコシアの孤児院からやって来た孤児である。 同じ頃、 カスバート家のマシュウは、 時ならぬ正装で一人馬車を駆っていた。 ブライトリバーの駅まで、 農作業を手伝ってくれる男の子を迎えに行くためである。 だが、 彼を待っていたのは真剣な眼のアンであったのだ……。
期待に胸をふくらませてグリーン・ゲイブルズにやって来たアン。 だがそれは、 マリラの一言によってもろくも崩れ去る。 マシュウたちが欲しがっていたのは女の子ではない。 農作業の手伝いが出来る男の子だったのだ。 “あまりに悲劇的な出来事”に泣き崩れるアン。 その夜、 一人出窓の部屋に上がっていったアンに、 世界は恐ろしい程寂しかった。 全てが自分を突き放して見えたのであった……。
翌朝、 アンの目にグリーン・ゲイブルズは、 柔らかい朝日の中で何もかもが美しく見えた。 しかし、 アンを返しにいくというマリラの決心は変わっていなかった。 そんな彼女をマシュウは説得し、 やがてマリラも、 アンの真面目な働きぶりを見て、 前日とは違った印象を抱く様になる……そしてその午後、 出掛けようとするマリラに、 マシュウは手伝いの男の子を雇った事を告げる……。
スペンサー家へ向かう車上の人となったマリラ、 そしてアン。 「私、 このドライブを楽しむことにするわ! 」と、 アンの止めども無い話が始まる。 マリラはアンに生立ちを訊ねるが、 アンは拒否する。 「そんな事話しても仕方無い! 」と。 しかし、 しばらくしてアンは、 ポツリポツリと、 自分の過去を話し始めた。 それは、 家族の愛情というものの全く無い、 あまりにも寂しい孤独な過去だった……。
スペンサー夫人の家に到着したアンたち。 スペンサー夫人も思わぬ間違いに驚くが、 すぐにも良い方法があると語る。 子だくさんのブリュエット夫人が子守りを欲しがっているというのだ。 だが、 程なくして現れたブリュエット夫人は、 いかにも冷酷そうな人だった。 マリラはその様子を見て、 アンを連れ帰る事にした……その夜、 マリラはマシュウに、 アンを引き取る決心をした事を告げた……。
翌日、 マリラはアンに自分の決心をすぐに伝えようとはせず、 次から次へ仕事を与えては、 その働きぶりをじっと見るだけだった。 そして午後、 遂に我慢しきれなくなって尋ねてきたアンに、 マリラは答える。 「私たちはお前を置いておく事にしたよ」と。 喜びの余り涙にむせぶアンに、 グリーン・ゲイブルズの自然は語りかけてくる。 彼女は“グリーン・ゲイブルズのアン”になったのだ。
グリーン・ゲイブルズの一員となって充実した毎日を送るアン。 しかしある日、 この少女を噴怒の底に突き落とす大事件が起こった。 グリーン・ゲイブルズにやって来たマリラの友人であるレイチェル夫人が、 あろう事かアンの器量を徹底的にけなしたのである。 怒り心頭のアンは、 彼女に癇癪をぶつけた。 マリラは、 そんなアンの行動をとがめ、 謝るまでは部屋から出ない様にと命ずる……。
初めての日曜学校に期待を膨らませるアン。 数日来、 マリラがミシンに向かっている事を知ったアンは、 自分用の最新流行の服が出来上がる事を夢見ていた。 だが、 完成したのは何の飾り気もない質素な服だった。 落胆するアン……そして日曜日、 マリラの頭痛のため、 一人で教会に行く事になったアンは、 自分の服装を少しでも美しく見せようと、 帽子を野の花や草で目一杯飾り付ける……。
ずっと待ち焦がれていたダイアナとの出会い。 アンは希望と緊張の入り交じった複雑な面持ちでオーチャード・スロープへ向かう。 そんな不安をよそに、 ダイアナはアンを受け入れ、 たちまち打ち解ける。 初めての想像の友以外の友人に喜ぶアン。 アンは、 その友情を永遠のものとするため、 一緒に庭の花壇に出る。 そこで厳かに、 死が二人を分かつまで、 互いに心の友達たらん事を誓うのだった。
初めて心の友・ダイアナと遊びに出掛けたアン。 道中、 アンの卓抜した想像力はダイアナを心から楽しませる。 アンは道路や池にウイットに富む名前を付けて、 それはダイアナの感嘆を誘う。 そして、 白樺に囲まれた大地は二人の心を解放する。 互いに気絶ごっこをしたり、 アンが持ってきたお菓子を一緒に食べたり……それはアンにとって、 決して忘れる事の出来ない1日となったのである。
ある日、 恒例となっている日曜学校のピクニック計画が発表された。 アンにとっては生まれて初めてのピクニック。 しかもそこでは、 アイスクリームが振る舞われるという。 まだ食べたことのないアイスクリームへの想いに我を忘れるアン。 だがその頃、 マリラのブローチが無くなるという事件が発生。 アンのせいではと考えたマリラは、 正直に告白するまではアンの外出を禁止するという……。
身の潔白を訴えるアン。 しかし、 マリラはそれに耳を貸そうとしない。 やがて来たピクニックの当日、 意を決したアンは、 マリラに自分が盗ったと告白する。 何とでも罰してほしい、 ピクニックの後で……と。 だがマリラは、 罰としてピクニックに行かせないと言い放つ。 しかしその日の午後、 自分の部屋を整理していたマリラはブローチを見つけ、 アンが嘘の告白をしていた事を知る……。
いよいよ今日から新学期。 アンの初登校の日がやって来た。 期待に心弾むアンは、 早起きして嬉しさを隠せない。 しかしマリラの心中は穏やかで無い。 果たしてこの子が学校で上手くやっていけるのだろうかと……。 当のアンには、 ダイアナの存在が心強かった。 学校でも皆の中に自然に入って行く事が出来たのだ。 もっともフィリップス先生だけは、 あまり感じの良い人では無かったのだが……。
それは、 ギルバートが学校に戻って来た日の事だった。 彼はハンサムで、 結構いい奴でもある。 ダイアナも好感度は高いのだが、 アンはまるで関心が無い。 彼は女の子に、 誰かれ構わずちょっかいを出すのだ……。 そして事件は起こった。 空想を楽しむアンがギルバートの目にとまってしまった時、 あろう事かアンの髪をつかまえて“にんじん”と口にしてしまったのだ。 怒りに我を忘れたアンは……!
学校での大騒動以来、 アンは頑として学校へ行く事を拒否するようになった。 そんなアンを心配するマリラだが、 いつかはほとぼりが冷めるだろうと、 日々の家事と勉強をおろそかにしない条件付きでアンの意思を尊重する事にする。 けれどもアンの固い決意は変わる気配もない。 いつしか時は流れ、 季節は秋へと変わっていったある日、 カスバート家は不意の客を迎えるのである……。
ダイアナとの友情を深めていくアン。 そんなある時、 マリラはダイアナをお茶に呼ぶ事を許してくれた。 アンはまさに天にも昇らんばかりに喜んだ。 それはアンが夢に描いていた事だったのだ。 そして訪れたその日。 自分の持っている服の中でも2番目に良い服を着てきたと言うダイアナを、 アンはとっておきのいちご水で精一杯もてなすのだが、 ダイアナは突然、 気分が悪いと言い出した……。
図らずもダイアナを酔わせた事で、 アンは絶交を言い渡されてしまう。 悲しみにくれたアンは、 突然学校に戻ると言い出した。 学校に行けば、 少なくともダイアナに会えると考えたのだ。 久し振りに帰ってきたアンを、 みんなは暖かく迎えてくれた。 ただ、 ダイアナだけは違う。 彼女はアンを無視し続けるのだ。 アンは途方にくれる。 だが次の日、 アンは授業中にこっそりある手紙を渡された……。
それは総理大臣の来訪という、 おおよそ小さなこの村とは縁遠そうな出来事から開幕する。 村中の人々が総理を一目見ようと出かけた夜、 突然ダイアナが、 グリーン・ゲイブルズにやってきた。 彼女の妹のミニー・メイが喉頭炎にかかったらしいというのだ。 驚くアン。 しかしアンは意を決し、 特効薬を持ってダイアナと一緒に彼女の家へ向かう。 かくしてアン必死の看病が始まった……。
再び交際を許されたアンとダイアナの友情は以前にも増して深まっていった。 ダイアナの誕生日、 アンはバリー一家から招待を受けた。 そしてお茶の後、 一緒にコンサートへ行って、 夜は客間のベッドに寝てもいいというのだ。 沸き上がる喜びを隠しきれないアン。 だが、 興奮の一日が終わってベッドに飛び込もうとした時、 事件は起こった。 そこにはジョセフィンおばさんが寝ていたのだ……!
アンがこの地を訪れてはや1年が経った。 この記念すべき日を、 アンは家の手伝いをして普通に過ごそうと心に決める。 そんなアンの行動は、 マリラたちに何か気になるものだったが、 とりあえずはその日の家事を任せる事にした。 多少の失敗もありながら1日が終わろうとした時、 二人はようやく事の子細に気付いた……マシュウはアンを思い出へのドライブに誘うのだった。
学期の終わりを前に大ニュースが舞い込んだ。 あのフィリップス先生が今期限りで学校を辞めるというのだ。 歓喜のクラスの一同。 けれども学期の最後の日、 フィリップス先生は名演説で幕を下ろし、 女の子たちは涙にくれるのだった。 その帰り道、 泣きながら歩くアンたちは、 新任の牧師夫妻を乗せた馬車と出会う。 牧師夫妻のニュースは早くも村中に広まっていって……。
牧師夫妻をお茶に招くというマリラの提案は、 アンの興奮をかき立てた。 アラン夫人のために自分も何か作りたいというアンに、 マリラはレヤー・ケーキなら任せてもよいと言う。 そしてやって来たその日、 アンは軽い鼻風邪をひきながら一生懸命レヤー・ケーキを焼いた。 ケーキはなかなかの出来栄えだ。 だがお茶が進み、 いよいよアラン夫人がアンのケーキを口にした時……。
郵便局に新聞を取りに行ったアンは、 そこで自分宛の手紙を受け取った。 それは大好きなアラン夫人からのお茶の招待状だ。 喜び感動するアン。 お茶会の日、 自分で摘んできた野いちごを籠一杯に詰め込んだアンは、 歓喜に胸を膨らませて牧師館へ向かう。 そして期待に違わぬ素晴らしい時間が過ぎて……しかし、 何気なく部屋の中を眺めていたアンは、 ふと一枚の絵に目をとめたのである。
みんなと一緒にダイアナの家で命令ごっこをしていたアンは、 些細な事からジョーシーと口論になり、 屋根の棟木の上を歩かされる羽目になる。 必死で止めるダイアナ。 しかしアンは自らの名誉を守るために、 ひとり屋根の上へと登って行く。 果たして一歩一歩、 慎重に歩みを進めるアン。 だが、 中程まで行った所でバランスを崩したアンは、 真っ逆さまに屋根の下へ!
足を挫いて寝たきりのアンにとって、 ダイアナの訪問は何よりの楽しみだった。 だが、 ある日ダイアナが姿を見せなくなってしまう。 シャーロットタウンで病気にかかったという噂も舞い込んできた。 心配になったアンは、 ダイアナへの手紙を書いた。 それは二人の思い出が綴られ、 アンの目には涙があふれてくる。 ところが手紙を書き終えないうちに、 ダイアナが突然たずねてきた!
フィリップス先生の後任でやって来たミス・ステイシーは、 アンの想像したとおり、 活発で理解力のある素晴らしい先生だった。 新しい先生のもと、 学校のみんなで校旗を作る資金集めのクリスマスコンサートが計画された。 準備にみんなが夢中になっているそんな中、 アンには、 どうしてもやりたい事がひとつあった。 それは「妖精の女王」の劇の中で、 主役を演じる事だったのである。
クリスマスコンサートの練習に励むアンたち。 偶然その様子を垣間見る事になったマシュウは、 アンの様子が、 ほかのみんなとは違っている事に気が付いた。 一体何が違うのだろうか? 必死で考えるマシュウが思い至ったのは、 アンの服装だった。 いつも飾りっ気の無い、 地味な服装のアン。 もし、 きれいな服をアンにプレゼントできたら……。 意を決したマシュウが買い物に出掛けると……!
コンサートの当日、 マシュウが贈ってくれたきれいな服にアンは驚き、 感動する。 驚いたのはアンだけではない。 アンの変わり様は、 マシュウたちをも驚かせたのだった。 その夜、 公会堂は満員の聴衆の熱気に包まれていた。 舞台の袖から聴衆を見つめていたアンは、 ふと、 そこに思いも寄らない人が来ている事に気が付いた。 マシュウである。 最も望んでいた人の姿に、 アンの心は奮い立つ……。
大成功に終わったクリスマスのコンサートから早くも時は過ぎ、 冬も深まっていた2月のある日、 アンたちはステイシー先生から、 ある作文の宿題を出された。 それは題材は自由で、 思ったままに自分の考えた物語を書くというものだった。 持ち前の想像力で難なく宿題を片付けるアン。 だが、 ダイアナたちには難題である。 その姿を見てアンは“物語クラブ”の創設を思い立つのだった。
アンがひとりで留守番をしていたある時に、 旅の商人が訪ねてきた。 アンは、 その男を家の中には入れず、 次から次に繰り出される商品にも目もくれなかった。 だが、 偶然目にした、 とある商品がアンの心を釘付けにする。 それは黒色の毛染めだった。 言葉巧みな商人の言葉にのせられてしまうアン。 ついにアンは、 なけなしの小遣いで毛染めを買ってしまう。 だが、 案際に染まった色は何と……。
夏休み、 湖で魚釣りを楽しんでいた物語クラブの面々は、 アンの発案で、 とある劇を演じる事になる。 古きキャメロットの伝説「白百合姫」の一場面を再現してみようというのだ。 さっそくアンを白百合姫に見立てて劇を始めるダイアナたち。 しかし、 そこで思いも寄らない事件が起こる。 何とアンを乗せた船が沈み始めたのだ。 ようやくの思いで橋げたにしがみついたアンだったが……。
ある秋の夕暮れ、 ダイアナから大変なニュースがもたらされた。 なんとジョセフィンおばさんが、 アンとダイアナをシャーロットタウンの共進会に招待したいと言ってきたのだ。 これは“生涯の一大事”だ。 だが、 一抹の不安がアンの心をよぎる。 果たしてこれをマリラは許してくれるだろうか? しかし、 そんなアンの思いをよそに、 マリラはあっさりとアンの願いを聞き入れてくれたのだ。
その日、 アンはついていなかった。 些細な事でダイアナと喧曄してしまったり、 猫いらずをいれておいたリンゴを食べたと騒がれたり……しかし、 最後の最後に素晴らしい知らせがアンにもたらされた。 ステイシー先生がマリラに、 アンもクィーン組に加わるようにと言ってきたのだ。 上の学校へ行って先生になる……それはアンが長い間胸に秘めながら、 口に出す事の出来なかった夢だったのだ。
ダイアナと一緒にクィーン学院に行ける! 喜ぶアンは、 さっそくダイアナのもとへ向かう。 しかしダイアナからかえってきたのは“私はクィーンに行かない”という驚きのものだった。 それは、 ダイアナ自身が決めた事である。 どんなに仲のよい友達でも、 いつかは進路を分かたねばならない……その事を知った時、 アンは再び、 ダイアナとの友情の誓いを交わすのだった。
クィーン学院への進学を目指して猛勉強を続けるクィーン組の仲間たち。 それはアンにも勉強疲れを呼びこんでいたが、 やがて、 待ちに待った夏休みがやってくる。 最後の夏休みを心ゆくまで楽しむ事にしたアンは、 さっそくダイアナの家へ出掛ける。 だがその日、 マシュウが心臓の発作で倒れた。 実はマシュウは、 以前から心臓が悪かったのだ。 しかしアンは、 その事を知るよしもなかった……。
夏休みも終わり、 勉強にもますます熱が入るクィーン組。 だがその一方で、 アンたちの焦りも高まっていた。 そんなある日、 グリーン・ゲイブルズで物語クラブの集まりが催された。 今はもう物語は作っていないが、 月に一度、 順番でみんなの家に集まることにしたのだ。 ところがその日はどうした事か、 ダイアナがなかなか来ない。 いらだつジェーンとルビーは、 遂に帰ると言い出してしまう。
いつしか冬も終わり、 アンは十五歳の春を迎えていた。 すっかり成長し、 アンは、 真剣なまなざしと落ち着いた物腰をもったひとりの娘になっていたのだ。 だが、 大きくなったアンを見て、 マリラは何か大切なものを失ってしまったような、 言い知れぬさびしさを覚えていた。 そんなある日、 カーモディーまで鉄道の支線が伸びる事になり、 開通式の一番列車でジョセフィン・バリーが訪ねてきた。
いよいよ受験を目前に控え、 クィーン組最後の試験が行われた。 ここで抜群の成績を納めるアン。 だが、 その試験結果と同じくして手渡された入試の受験番号は、 何と不吉とされる数字・13番だった。 マリラはそれを迷信だと言って一笑に付すが、 アンは不安を覚えずにはいられない。 そして、 試験の当日がやってきた。 アンたちは緊張の余り、 いつもの落ち着きが無くなってしまっていた……。
苦闘の試験が終わって、 早くも2週間以上が過ぎていた。 けれども肝心の試験結果は未だに通知されてはいなかった。 当のクィーン組の面々をはじめ、 多くの人々が心配のあまり気が気でない。 受験した者たちは日々の仕事も手につかないまま、 ただただ通知を待ちながら郵便局参りを続けるしかなかった。 そんなアンの姿を見て、 マリラは気晴らしになればと仕事の手伝いを勧めるのだったが……。
結果発表の時はやって来た。 何とクィーン組の全員が試験に合格したのだ! この上ない吉報に、 彼らは村中の祝福を受ける。 そんなアンの元に、 慈善コンサートでの詩の朗読に参加してもらえないかという話が舞い込んだ。 その名誉を喜んで引き受けるアン。 だが、 詩の朗読にはもうひとり、 有名なエバンス夫人も参加するというのだ! 思いもよらない展開に動揺するアンだったが……。
クィーン学院へ旅立つための準備に忙しいアン。 それはもちろん楽しい事。 けれども一方では辛い事。 出発の日が近付くにつれ、 これまでに無く強く、 マシュウとマリラが寄せてくれる愛情が深く感じられる様になってきたからだった。 その日も、 マリラがアンの元にやって来て、 イブニングドレスを作ってくれると言う。 アンはドレスの完成した夜、 二人のために、 詩の朗読をするのだった。
クィーン学院への入学は、 興奮と緊張のうちに過ぎ去った。 慣れないキャンパスで初めて出会うクラスメイトたち。 知っている者といえば、 よりにもよってギルバートしかいないのだ。 目まぐるしく繰り広げられる日々に、 いつしかアンはホームシックに悩まされる。 けれどもそんな頃、 訪ねて来てくれたジェーンたちからエイブリー奨学金の話を聞くうちに、 アンの心は再び奮起していくのだった。
待ちに待った週末の休暇の日。 アンをはじめ、 クィーン学院の仲間たちは、 みんなでアヴォンリーへと帰ってきた。 短い様で長かった学院生活。 そして1週間振りのグリーン・ゲイブルズ。 アンは、 マリラ、 マシュウと共に、 楽しいひと時を過ごしていた。 けれどもアンは、 心の中に決めつつも、 それを二人に打ち明けられないでいる事があった。 それはエイブリー奨学金についてだった……。
季節は巡り、 冬になってアンたちは、 毎週ごとの帰省をしばし取り止め、 学業に専念する事になった。 そんなアンにとって唯一の楽しみは、 ジョセフィンおばさんの家で過ごす日曜日の午後だった。 ある日アンは、 マシュウが心臓の発作で倒れたことを知らされる。 マシュウの心臓の持病を知らなかったアンにとって、 それはたいへんな驚きだった。 急ぎグリーン・ゲイブルズに向かうアン……! ■第45章「栄光と夢
奨学金獲得に向かって全力を使い果たしたアン。 学期末試験も終わり、 後は結果を待つばかりだった。 不安をつのらせつつ、 結果発表を見に行った彼女の耳に飛び込んできたのは、 あろう事かギルバートを祝福する声だった。 よりにもよってギルバートに負けたと思い込み、 アンは愕然となる。 だが次の瞬間、 アンは自分の名前を耳にする。 “エイブリー奨学金受賞おめでとう”の声が届いた……!
念願のエイブリー奨学金を受賞し、 この上ない喜びを胸にグリーン・ゲイブルズに帰ってきたアン。 だが、 そんなアンを待っていたのは、 この1年ですっかり年を取ってしまったマシュウとマリラの姿だった。 アンの心は揺れ始める。 こんなにも私を愛してくれている二人を残したまま、 遠くへ行ってもいいのだろうか? そんなアンの事を、 マシュウの愛は優しく包んでくれた……。
その日は突然やってきた。 マシュウが亡くなったのだ。 その原因は、 マシュウが手にしていた新聞に残されていた。 カスバート家唯一の取引銀行であるアベイ銀行倒産の知らせが、 マシュウの心臓にショックを与えてしまったのだ。 悲しみに泣き叫ぶマリラ。 だが、 アンはただ呆然とするだけ……。 昼間の喧騒も去った夜、 部屋でようやくひとりになったアンは、 初めてマシュウの死を実感する……。
その日、 マシュウの葬儀が静かに執り行なわれていた。 グリーン・ゲイブルズを愛し、 信じられない位のはにかみ屋だったマシュウも、 もはやその笑顔を見せる事は無い。 自分をこの家に迎え入れ、 心の底から愛してくれたマシュウの死に、 アンは悲しみに打ち沈む。 その夜、 アンはマリラから若き日の思い出話を聞かされた。 それは、 思いもよらないマリラとギルバートの父親とのロマンスだった……。
マシュウの死を乗り越え、 アンの歩みは再び前進を始めたかに思えた。 だが、 その前には多くの難関が待ち受けていたのである。 残された農場の事、 アベイ銀行の倒産、 そして、 マリラの目にも失明の危機が迫っていた。 一刻も待てない選択を迫られるアン。 それはとてつも無い苦悩だった……。 しかし今、 アンは新しい道を見つけ出す。 それは進学を取りやめ、 グリーン・ゲイブルズに残る事だった。
アンが奨学金を辞退した……その話は、 たちまちのうちに村中の話題となっていた。 そんな折アンは、 ギルバートが自分のためにアヴォンリー小学校の教員職を譲ってくれた事を知らされる。 アンは驚いた。 と同時に、 ギルバートの心遣いに深い感謝の念を覚えるのだった。 次の日アンは、 早速お礼を述べにギルバートの元へ向かう。 それは、 二人が初めて心からの言葉を交わした時でもあった。
シーズン1は全50話
一部の情報はTheTVDBから提供されています。
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