(1)「ばあちゃんが来た!」 第1話
村上あかり(瀧本美織)は、広島県尾道に暮らす高校3年生。鉄工所を営む父・錠(遠藤憲一)と母・真知子(安田成美)、そして2人の兄に囲まれ、男勝りに育ったあかりは、ある日、堤防でトランペットを手にする女性・田中初音(富司純子)を見かける。彼女が、そのトランペットを投げ捨てると、迷わず海に飛び込み拾い上げるあかり。初音は、あかりにあきれながらも「あんたが拾ったもんや」と、トランペットを残して去る。
てっぱん·NHK
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1シーズン · 151話
村上あかり(瀧本美織)は、広島県尾道に暮らす高校3年生。鉄工所を営む父・錠(遠藤憲一)と母・真知子(安田成美)、そして2人の兄に囲まれ、男勝りに育ったあかりは、ある日、堤防でトランペットを手にする女性・田中初音(富司純子)を見かける。彼女が、そのトランペットを投げ捨てると、迷わず海に飛び込み拾い上げるあかり。初音は、あかりにあきれながらも「あんたが拾ったもんや」と、トランペットを残して去る。
あかり(瀧本美織)の前に現れた女性は、田中初音(富司純子)と名のり「娘・千春(木南晴夏)がいないか」と尋ねる。“千春”という名前を聞き動揺する母・真知子(安田成美)と父・錠(遠藤憲一)。真知子から、すでに千春が亡くなっていることを知らされショックを受けた初音は、1枚の写真を取り出す。あかりが生まれる直前の日付の写真には、両親と2人の兄、そしてお腹の大きな千春がいっしょに写っていた。
真知子(安田成美)の計らいで、初音(富司純子)は、村上家に1泊することに。翌朝、あかり(瀧本美織)が目覚めると初音の姿はなく、トランペットだけが残されていた。錠(遠藤憲一)たち家族は、出生の秘密を知ったあかりを気遣って明るく振る舞うが、どうやって事情を話せばいいのかわからず、苦しんでいた。そんな中、あかりは、やり場のない気持ちを振り払うように、吹奏楽部の最後の演奏会に向けて、練習に打ち込む。
家族やクラスメートたちの前では、明るくふるまうあかり(瀧本美織)。しかし“自分がトランペット好きなのは、実母から受け継いだ性格なのでは”と、独り悩んでいた。最後の演奏会に向けての練習中、あかりは遂にトランペットが吹けなくなり、教室を飛び出してしまう。父の幼なじみで僧侶・隆円(尾美としのり)に気持ちをぶつけたあかりは、トランペットを初音(富司純子)に返すため、大阪へ行くことを決める。
あかり(瀧本美織)は初音(富司純子)にトランペットを返そうと大阪へ向かう。初音は、あかりを部屋に通すが、トランペットを頑として受け取らない。ねばるあかりに、初音は「それなら、このトランペットを吹いて音楽のすばらしさを教えてくれ」と言う。そこに、冬美(ともさかりえ)という女性が現れ「商店街のイベントライブで、トランペットのピンチヒッターを務めてほしい」と言われ、あかりはそのまま連れて行かれる。
あかり(瀧本美織)が演奏をためらっていると、視線の先に初音(富司純子)が現れる。すると、挑むようにトランペットを吹き始めた。あかりは尾道にいる母(安田成美)や父(遠藤憲一)を思いながら演奏し、初音は亡き娘(木南晴夏)を思い出していた。ライブが終わり、冬美(ともさかりえ)たちとお好み焼き屋へ行ったあかりは、岩崎(柏原収史)から「トランペットとの相性がよい」と言われ、再び初音の家を訪ねる。
実母の形見のトランペットを大阪に住む祖母・初音(富司純子)に返して来たあかり(瀧本美織)だが「育ててくれた家族に恩返しせなな」という初音の言葉が引っ掛かっていた。次兄・鉄平(森田直幸)がトランペットを尾道に持ち帰ってきたことから、あかりは家族の前で「高校卒業後は尾道で就職する」と宣言。父・錠(遠藤憲一)は喜びを隠せずにいるが、母・真知子(安田成美)は“あかりに大阪で何か起きたのでは”と察知する。
あかり(瀧本美織)は、親友・加奈(朝倉あき)に「定期演奏会を最後にトランペットをやめ、就職活動に専念する」と言う。錠(遠藤憲一)は「親もとを離れたくない」と言う娘の言葉を信じ込もうとしていたが、真知子(安田成美)はあかりの決意の裏に、初音(富司純子)の影を感じていた。そんな時、あかりは長兄・欽也(遠藤要)から「養子になった経緯を知りたければ自分に聞け」と促され、おそるおそる何があったのか切り出す。
あかり(瀧本美織)が音楽の夢を捨て、就職すると言いだしたことに違和感を覚えた真知子(安田成美)は、産みの母・千春(木南晴夏)との出会いを話そうとするが、あかりは「聞きたくない」と怒りだす。秋になり、あかりの就職活動が始まった。担任の島田(おかやまはじめ)は「大阪によい就職口がある」と説得するが、尾道にこだわるあかりの就職先はなかなか決まらない。そして、あかりは高校最後の演奏会の日を迎えるが…。
あかり(瀧本美織)の高校最後の演奏会に、錠(遠藤憲一)と真知子(安田成美)が駆けつけたが、娘のいない舞台に戸惑う。就職活動を終えて、演奏会場に駆けつけたあかりに、親友の加奈(朝倉あき)は「なぜ就職にこだわるのか」と問いかける。自分が村上家の養子だったことを打ち明け「だからこそ尾道で家族に恩返しをしたい」と答えるあかり。一方、本音を語らないあかりに、業を煮やした真知子は、翌朝、尾道から姿を消す。
「妻が家出をした」と騒ぐ錠(遠藤憲一)をよそに、真知子(安田成美)は大阪の初音(富司純子)を訪ね、あかり(瀧本美織)の変調の理由を問いただしていた。「二度と村上家とかかわるつもりはない」とかわす初音。そこに「母が来ていないか」とあかりが電話をかけてくる。「家族に恩返しせな、あかんで」と念を押す初音に、真知子は怒りを抑えながら「18年前の今日、あかりが産まれた」と、2つのケーキを置いて行く。
“初音(富司純子)を見返したい”と、あかり(瀧本美織)は錠(遠藤憲一)の反対を押し切り、大阪の会社に就職を決めた。春、あかりが大阪へ出発する日。錠は「久太(柳沢慎吾)に部品を納入した船の進水式がある」と、見送りに現れない。真知子(安田成美)に背を押され、渡り船に乗るあかり。そこに進水式に出席していた欽也(遠藤要)から電話がかかってくる。受話器の向こうから響くのは、錠が娘に向けて絶叫する祝辞だった。
就職のため、大阪に出て来たあかり(瀧本美織)は、意気揚々と祖母・初音(富司純子)を訪ね「自立した自分を見てくれ」とタンカを切る。冷たくあしらいながらも、孫が大阪に来たことに動揺する初音。一方、あかりは、ひょんなことから職を失い、さらにその事実を父・錠(遠藤憲一)や母・真知子(安田成美)に言いそびれてしまう。大阪に残ることを決意したあかりは、仕事を探し回るが、その惨めな姿を初音に目撃されて…。
あかり(瀧本美織)は旧知のかつお節会社を訪ね、社長の浜野(趙タミ和)に、自分を雇ってくれと頼む。事務員の小夜子(川中美幸)から猛反対されたものの、何とか職を得たあかり。職人・神田(赤井英和)に案内された下宿は、初音(富司純子)の家だった。“背に腹は代えられない”と頭を下げるあかり。だが、初音は「空き部屋がない」と冷たい。それでも居座ろうとするあかりに「なぜ尾道に帰らないのか」と初音が問いかける。
あかり(瀧本美織)は、冬美(ともさかりえ)から、下宿の中に「開かずの間」があることを聞かされる。神田(赤井英和)や長谷川(竜雷太)に、そこが何だったのかを尋ねて回るあかりだが、2人とも口を濁すばかり。一方、あかりが初音(富司純子)といっしょに暮らしていると知った真知子(安田成美)は、錠(遠藤憲一)にどう伝えるか悩んでいた。夜、あかりは偶然「開かずの間」を覗いてしまうが、そこに初音が現れ…。
初音(富司純子)に、たたかれたあかり(瀧本美織)は、開かずの間に入ったことをわび、実母・千春(木南晴夏)のことを知りたいと頼むが、初音は「これ以上かき回すな」と拒絶する。実母への思いを働くことで振り切ろうとするあかり。そんな矢先、神田(赤井英和)から、初音が交通事故にあったと聞かされたあかりは病院に走る。一方尾道では、真知子(安田成美)が、娘と初音が同居している事実を誰にも言えずに悩んでいた。
初音(富司純子)が事故にあったと聞き、あかり(瀧本美織)は慌てて病院に駆けつける。受付で叫ぶように話すあかりに初音が声をかける。「かすり傷だ」と言う初音に、あかりは自分のせいで初音が傷ついたのではないかと泣きながら言う。かつお節会社に戻ったあかりは、社長の浜野(趙タミ和)から「気分転換に」とバンド練習に誘われる。そのころ尾道では、錠(遠藤憲一)が初音の所にあかりがいると知り、大騒動になっていた。
あかり(瀧本美織)の前に、突然、父・錠(遠藤憲一)と母・真知子(安田成美)が現れる。錠はあかりを連れ戻そうとやって来たのだ。初音(富司純子)は“関係ない”とばかりに、話をしない。錠は「かつお節会社で働くために大阪に来たのか?」と、あかりに言う。錠たちに連れられていくあかりを見送りもしない初音であったが、ふいに18年前、娘・千春(木南晴夏)が家を出て行った日の光景を思い出し、あかりを追って走り出す。
あかり(瀧本美織)が大阪に住み始めて1か月。陸上部の合宿所を飛び出した滝沢(長田成哉)を、コーチの根本(松田悟志)が呼び戻しに来た。「ほかの選手といっしょでは練習にならない」と断る滝沢を、冬美(ともさかりえ)が、たしなめたことから2人はケンカに。冬美をかばおうとするあかりに、初音(富司純子)は「他人の事情に踏み込むな」と忠告。ひとつ屋根の下で暮らすのにバラバラな下宿人たちを、あかりは変だと感じ…。
あかり(瀧本美織)は、自称モデルの冬美(ともさかりえ)がうどん屋でアルバイトをしていると知る。明るく振る舞う冬美だが傷ついているのは明らかで、あかりは「他人にかかわるな」と言う初音(富司純子)の真意を理解する。そんな時、民男(前田航基)がイジメを受けた様子で小学校から帰って来た。心配するあかりに、民男は「ほっといて」と言う。本当にほっといてよいか、あかりは初音の忠告と自分の思いの間で揺れる。
あかり(瀧本美織)は、民男(前田航基)の誕生日が近いことを知り「せめて、その日くらいは下宿のみんなで夕食を囲もう」と提案する。冬美(ともさかりえ)と笹井(神戸浩)は賛同するが、初音(富司純子)は「母親にでもなる気か」と冷たい。初音は食い下がるあかりに「下宿人が全員そろうなら」と条件をつける。勇んだあかりは滝沢(長田成哉)に「食事をいっしょに食べよう」と持ちかけるが、自分のペースがあると拒絶され…。
夕食を下宿のみんなで食べることを賭け、あかり(瀧本美織)は滝沢(長田成哉)の陸上練習に必死についていった。しかし、冬美(ともさかりえ)の声援もむなしく、ついにあかりの足は動かなくなり…。「なぜ他人のためにそこまでするのか」。初音(富司純子)は、遠くから孫の背中を見つめていた。民男(前田航基)の誕生日、あかりたち有志が民男を囲んで夕食を食べようとしたその時、初音が滝沢の部屋を訪れ、ある提案をする。
あかり(瀧本美織)が仕事から帰ってくると、初音(富司純子)が加奈(朝倉あき)に肩もみをさせている。あかりは、仲むつまじい姿にヤキモチを焼く。加奈は「お見合いを勧める父(柳沢慎吾)とケンカをして来た」と言う。そしてバッグから、あかりの産みの母・千春(木南晴夏)が残したトランペットを取り出した。「仕事をしながらでも、音楽は続けられる」と言う加奈に、あかりは「そのトランペットは実母の形見だ」と告げる。
あかり(瀧本美織)から千春(木南晴夏)のことを聞かれ、初音(富司純子)は「トランペットを買ったせいで、自分には理解できない音楽に娘を奪われた」と、複雑な心境を明かす。“祖母と産みの母の確執は、もはや解けない”と思い悩むあかり。そうとは知らず冬美(ともさかりえ)は「行動するのがあかりだ」と励ます。そんな時、あかりは長谷川(竜雷太)から「初音は娘のトランペット練習をのぞきに行っていたはず」と聞き…。
浜勝で社会科見学が行われ、あかり(瀧本美織)は、小学生に商品知識のなさを見抜かれる。社長・浜野(趙タミ和)から、名誉ばん回のため、次回の見学を担当するよう命じられる。冬美(ともさかりえ)から「だしを使った料理を食べてもらえば」とアドバイスされ、あかりは初音(富司純子)から、だし巻き玉子の作り方を盗もうと、台所に陣取る。しかし邪魔者扱いされ尾道の真知子(安田成美)に電話で作り方を教えてもらうが…。
社会科見学で、あかり(瀧本美織)は真知子(安田成美)から教わっただし巻き玉子を民男(前田航基)たち小学生にふるまうが、イマイチの評判。落ち込むあかりに、初音(富司純子)は「冷めただし巻きは、しょっぱくなる」と言う。「なぜ先に教えてくれなかったのか」と問うあかりに、「味と思い出は変えられないから」と初音は答える。そんな折、兄・欽也(遠藤要)が来る。あかりは初音との関係を下宿人に隠そうとするが…。
あかり(瀧本美織)の兄・欽也(遠藤要)の失言で、あかりと初音(富司純子)が実の孫と祖母の関係であること、そしてあかりは村上家の養子であり、父親が誰かも知らないことが冬美(ともさかりえ)たち下宿人に知られてしまう。あかりを気遣いホットプレートでお好み焼きパーティーをしようとする下宿人たちを、あかりは初音が嫌がるからと引きとめる。それを聞いた初音は、意外にも「焼いてやれ」と言うが…。
長谷川(竜雷太)の失言で、開かずの間がお好み焼き屋だったことが下宿人に知られてしまう。あかり(瀧本美織)は初音(富司純子)をなだめようとするが、意外にも初音はサバサバしており、実の父の存在を気にするあかりに、さり気ない優しさをみせる。何かが変わり始めるなか、仕事に打ち込むあかりは工場でバンド練習を始める社長の浜野(趙タミ和)を目撃。止めようとしているところに小夜子(川中美幸)が戻って来て…。
社長の浜野(趙タミ和)は、かつお節工場でのバンド練習をとがめる小夜子(川中美幸)に「あんたが社長になればいい」と言い、失そうしてしまう。社員を動揺させまいと懸命に働く小夜子をよそに、浜野は笹井(神戸浩)の部屋に潜り込んでいた。会社に戻るよう、あかり(瀧本美織)が説得するものの浜野は「社長を辞める」と言って聞かない。すると初音(富司純子)が小夜子を下宿に呼び出し「なぜ、ダメ社長をかばうのか」と尋ねる
初音(富司純子)は「小夜子(川中美幸)の送別会をする」と、あかり(瀧本美織)に下宿人たちを集めさせる。冬美(ともさかりえ)に促され、あかりがお好み焼きの準備を始めると、初音は2階に隠れている浜野(趙タミ和)を連れてくるように言う。説得するあかりに、浜野は小夜子との思い出を話し、また1階では小夜子が、浜野が昔作ったお好み焼きの思い出を話していた。初音は、あかりがやりかけた、お好み焼きの準備を始める。
お盆の季節になり、あかり(瀧本美織)は尾道に帰省するつもりだった。しかし、あかりは、くじ引きの結果、お盆休み中「浜勝」の電話番をすることになってしまう。そのことで、尾道の錠(遠藤憲一)たち家族は落胆。一方、初音(富司純子)の心境は複雑。あかりは伝(竜雷太)から「初音は喜んでいるんではないか」と言われ、初音の気持ちを思いやる。そんな折、浜野(趙タミ和)が「電話番を代わって欲しい」とあかりに言いだす。
あかり(瀧本美織)は、お盆休みを利用し尾道へ帰省する。初音(富司純子)は、少し寂しそうであるが、あかりには、そんなそぶりを見せないでいた。あかりが尾道に着くと、下宿人の滝沢(長田成哉)が突然現れる。兄・欽也(遠藤要)の勧めで、駅伝の練習にやって来たと言う。宿泊先も、あかりの家。あかりは憤慨する。夜になり、欽也が家に帰ってくると、欽也が「課長を殴ってきた」と言いだし、あかりは驚がくする。
兄・欽也(遠藤要)が、上司を殴った理由を尋ねる父・錠(遠藤憲一)。多くを語らない欽也だったが、あかり(瀧本美織)が養子であることが原因のようだった。そのことを偶然知ったあかりは、欽也になんと声をかけていいか分からないでいた。そんな折、親友の加奈(朝倉あき)から、見合い話が進められていることを聞かされる。加奈の父・久太(柳沢慎吾)が経営する造船所の経営不振が理由だと言うのだが…。
花火を見に行ったあかり(瀧本美織)は、加奈(朝倉あき)から「家族のためにお見合いをする」と告げられる。それを聞いた錠(遠藤憲一)は、久太(柳沢慎吾)に「娘を身売りする気か」と詰め寄るが、久太は「娘に苦労をかけたくないと思うのは間違いか」と問い返す。一方、思い詰めた加奈は、思いを寄せていたあかりの兄・鉄平(森田直幸)に告白することを決意。あかりが取り持ち、加奈に向かい合う鉄平。その返事は…。
台風の接近と合わせたように、あかり(瀧本美織)が大阪へ帰って来た。孫の帰りを待つ初音(富司純子)は落ち着かないが、それを冬美(ともさかりえ)にからかわれると、強がって平然を装う。一方、あかりの帰宅を喜ぶ伝(竜雷太)は初音の寂しげな後ろ姿に、つい「家族にならないか」と言ってしまう。その告白を聞き、あかりは激しく動揺する。夜、風雨はどんどん強まり、ついに「開かずの間」の戸が吹き飛ばされてしまう。
台風は勢いを増し、お好み焼き屋だった空き店舗の戸を吹き飛ばす。あかり(瀧本美織)は、なすすべもなく立ち尽くすが、駆けつけた初音(富司純子)が必死に店を守ろうとする姿に、われに返った。そして、滝沢(長田成哉)たち下宿人といっしょに、風雨にさらされる店舗に板を打ちつけ、被害を食い止める。初音が下宿に戻って来ないため、尾道土産で鍋を作る下宿人たちが、初音のことを語るのを聞き、あかりは温かい涙を流す。
アルバイトで、こつこつ貯金をしてきた冬美(ともさかりえ)が、ついにショットバーを開く決意をし、あかり(瀧本美織)が勤める「浜勝」に、出店のアドバイザーを依頼する。あかりが冬美の手伝いを申し出たころ、兄・鉄平(森田直幸)が田中荘に転がり込んで来る。どうやら、ささいなことで父・錠(遠藤憲一)とケンカし、家出してきたようだ。一方、冬美の元には姉・夏代(久保田磨希)から、実家の援助を求める手紙が届くが…。
冬美(ともさかりえ)を訪ねて来た姉の夏代(久保田磨希)が「実家の料理屋の経営が思わしくない」と資金援助を申し込む。「自分の店を開くので協力できない」と断る冬美だが、あかり(瀧本美織)は冬美が揺れているように感じた。店舗も見つかり開店準備が整うなか、時々うわの空になる冬美をあかりは心配するが初音(富司純子)から「他人の人生に余計な口出しをするな」とクギをさされる。そして、店の本契約の日が来た。
契約目前に迫った冬美(ともさかりえ)の店は、経営難の実家に開店資金の一部を送金したため取りやめとなってしまう。冬美を励まそうと、あかり(瀧本美織)は残念会を開くが、小夜子(川中美幸)から「残った資金でも店なら開ける」と言われ、冬美は尾道風お好み焼き屋を開くことを思いつく。酔いに任せて初音(富司純子)に「“開かずの間”を貸してほしい」と言う冬美に、あかりは「ここは大事な場所」と、たしなめるが…。
あかり(瀧本美織)と冬美(ともさかりえ)は、初音(富司純子)に「晴れたら店を貸す」と言われたが、予想外の雨が降り“開かずの間”を借りられなくなった。あかりは“少しでも冬美の役に立ちたい”と別の場所を探し回るが、初歩的なミスを小夜子(川中美幸)に指摘されるなど経験不足は否めない。「なぜ他人のために頑張るのか」と冬美から問われ、あかりは、音楽を諦めてから夢を見失った心境を語り始める。
家に帰らない鉄平(森田直幸)の気持ちを確かめようと、尾道から真知子(安田成美)が来た。あかり(瀧本美織)は、鉄平の家出の原因が「兄・欽也(遠藤要)に、鉄工所の後継ぎを譲るためでは?」と聞かされ、何とか鉄平を真知子に向き合わせたいと考える。一方、母心が痛いほどわかる初音(富司純子)は、真知子といっしょに食事の準備をし、そこで、亡き娘・千春(木南晴夏)が村上家で料理をしていたという意外な話を聞く。
初音(富司純子)の心変わりで、ついに“開かずの間”が開くことになった。あかり(瀧本美織)が冬美(ともさかりえ)と喜びをかみしめていると、夏代(久保田磨希)が現れる。父から託された商売繁盛のダルマを冬美に渡し「両親が冬美の夢を応援している」と、仕送りの金も返される。強がって開店準備に集中する冬美に、あかりは、かける言葉もない。一方初音は、夏代から、実家の郷土料理の作り方を聞き出していた。
あかり(瀧本美織)は冬美(ともさかりえ)の留守を守り、お好み焼き屋の開店準備に大忙し。初音(富司純子)は、憎まれ口をたたきながらも、予算表に目を通すなど店の行く末を気にしている。一方、鉄平(森田直幸)が、さびた鉄板を磨き始めると、錠(遠藤憲一)は“鉄板をダメにするのでは”と心配で、しかたがない。そんな折、滝沢(長田成哉)たちは“店が出来ることで、静かな生活が乱されるのでは”と危ぐし始める。
あかり(瀧本美織)は中岡(松尾諭)たちから、お好み焼き屋の開店を反対され、ショックを受ける。初音(富司純子)は「下宿人の気持ちを確かめなかった方が悪い」と取りつく島もない。尾道では鉄平(森田直幸)が心配な錠(遠藤憲一)を、何とか大阪へ行かせようと、真知子(安田成美)たちが、あれこれ画策していた。そんな折、ついに鉄板が磨き上がる。試し焼きをするため、あかりは鉄板に21年ぶりの火を入れる。
鉄平(森田直幸)が磨いた鉄板を心配して錠(遠藤憲一)が大阪へ来るが「いいかげんな仕事だ」と言い、親子ゲンカに。あかり(瀧本美織)が仲裁をしていると、冬美(ともさかりえ)が新潟から帰って来る。「父親の体調がすぐれず、店を諦めて実家に帰る」と頭を下げる冬美。慰めようと、あかりがお好み焼きを焼くと長谷川(竜雷太)が「また“開かずの間”に逆戻りか」と寂しそうにつぶやく。あかりは、それを聞き…。
あかり(瀧本美織)が「冬美(ともさかりえ)の夢を継ぎ、お好み焼き屋をやりたい」と言い、初音(富司純子)の心中は穏やかでない。初音は錠(遠藤憲一)に「あかりに、あきらめるよう説得してほしい」と頼むが、錠は“娘の思いをくんでやりたい”と思いつつ、初音が許さないと決めつけていた。浜勝へ行った錠は、神田(赤井英和)から「初音が店の準備を心配していた」と聞かされる。錠が船の修理をしていると、あかりが来て…。
冬美(ともさかりえ)が準備途中で開店をあきらめた、お好み焼き屋の問題を決着させようと、初音(富司純子)はあかり(瀧本美織)と冬美、小夜子(川中美幸)を部屋に呼び、それぞれの考えを問いただす。冬美は「あかりになら後を託したい」と言い、小夜子は「会社として協力は惜しまない」と答える。あかりから「大阪と尾道をつなげる場所にしたい」と熱い思いを聞いた初音は、200万円を出しあかりに借金するよう迫る。
あかり(瀧本美織)のお好み焼き店「おのみっちゃん」が開店した。あかりと冬美(ともさかりえ)は、緊張して客を待つ。台所には、あかり以上に緊張する初音(富司純子)がいた。だが次々と来る客は、伝(竜雷太)や浜勝の面々。“知り合いが最初の客では具合が悪い”と気を利かす伝たちだったが、ついに新規の2人連れが…。店の船出を見届けた冬美は、あかりに「いつでも星は見えるよ」と、謎のことばを残して新潟へ帰って行く。
あかりは、午後までは、かつお節会社で働き、夕方からは、お好み焼き屋を開く多忙な生活を始めた。しかし、客足は次第に遠のき、長谷川たち、なじみの客ばかりになってしまう。心配した小夜子から「大阪のお好み焼きを出せば、客が増えるはず」と言われるが、あかりは尾道の味にこだわった。ある日、民男に「離れて暮らす母も、いっしょに暮らす父も、どっちも好きだ」と言われ…。
あかり(瀧本美織)は、大阪のお好み焼きに取り組むが納得のゆく味が作りだせない。試作品を長谷川伝(竜雷太)に試食してもらうが「もう一回この店に来ようとは思わん」と言われる始末。それでもあきらめないあかりに、鉄平(森田直幸)は「なぜ尾道のお好み焼きで勝負しないのか」と反発し店を飛び出す。あかりは「初音(富司純子)が作っていたお好み焼きは、ほっとする味だった」と長谷川から聞きある決意をする。
あかり(瀧本美織)から弟子入りを志願された初音(富司純子)は、あかりに対し「そもそも接客態度がなってない」と厳しく指摘する。そしてあかりに食材の見極め方、仕入れ先とのつきあい方など“商売の基本”をたたき込む。あかりには、その一つ一つが新鮮に映るが、肝心の味について、初音は「自分で見つけろ」と言い放つだけだった。滝沢(長田成哉)のさりげない励ましを受け、少しずつ自分の味に近づくが…。
あかり(瀧本美織)から「なぜ千春(木南晴夏)さんは、この店が嫌いになったのか」と問われた初音(富司純子)は、「千春を育てることに必死で、娘の思いに耳を貸さなかった」と、悔悟の念をつぶやく。あかりは、祖母と産みの母とのすれ違いが始まった場所への思いを新たに、自分らしい味を懸命に模索する。ある時あかりは、鉄平(森田直幸)が置いていった尾道の「いりこ」をヒントに自分ならではの味を見つけるが…。
あかり(瀧本美織)は19歳の誕生日も忘れお好み焼きの味を追求していたが、下宿の住人やかつお節会社の人たちが、心のこもったプレゼントで祝福してくれた。喜ぶあかりの前に、ふいに初音(富司純子)が現れ「誕生祝いにお好み焼きを焼いてやる」と告げる。「料理は体で覚えるもの」と決してお手本を見せなかった初音が、ついに焼き方を教えようというのだ。熱い鉄板の前に立った2人は、合わせ鏡のようにコテを操る。
大阪のお好み焼きをメニューに加え、「おのみっちゃん」が新たなスタートを切る。新規客も来るようになったころ、あかり(瀧本美織)は、民男(前田航基)から「友達が来るので、お母さん役をやってほしい」と頼まれる。民男の実母は東京で暮らしているが、それを言いだせなかったらしい。窮地を救おうとした鉄平(森田直幸)の策略は、かえって事態を混乱させ…。そのころ尾道では、千春(木南晴夏)の遺言らしき手紙が見つかる。
中岡の元妻が「民男を東京に引き取りたい」と切り出した。明るく振る舞う民男に、あかりたちは声をかけられない。中岡は“民男のため”と自分に言い聞かせ、妻のもとへ送ることを決めた。だが民男は、書き置きを残し、行方をくらましてしまう。一方、尾道では隆円が見つけた千春の手紙に何が書いてあるのかを巡り、錠たちが動揺していた。
尾道の錠は千春からの手紙に“あかりの本当の父親のことが書いてあるのでは”と不安を募らせる。そんな錠を真知子は「千春から初音へあてた手紙かもしれないから届けるべきだ」と説得する。一方、民男が東京の母のもとへ行ったため、中岡は下宿を出て行く決意をする。それを聞いた初音は「民男が帰ってくる場所をなくすのか」と中岡をしかる。
千春の手紙を届けに、隆円が初音を訪ねる。「あかりに見せるかどうかは任せる」と言う隆円に対し、初音は「読みたくない」と受け取らない。そこに居合わせ手紙の存在を知ってしまったあかりは「中身を読むのは怖い」と言う。一方尾道では、真知子が「心配ない」と言うにもかかわらず、錠は「よくないことが書いてあったのでは」と不安を募らせる。
あかりは、初音から千春の手紙を差し出され「読む気になるまで預かってほしい」と初音に手紙を託す。悩む妹の姿を見かねた鉄平は“手紙のせいだ”と初音の部屋に忍び込む。一方、尾道でも手紙に心を乱される錠に対し、真知子がある提案をしていた。あかりが仕事から帰ると、店に臨時休業のはり紙が出されていた。初音の仕業と知り、真意を尋ねるが…。
千春の手紙を開ける決意をした初音に呼ばれ、錠や真知子たち尾道の家族が、あかりの前に現れる。なぜ自分が生まれたのか、父は誰で、千春とはどんな関係だったのか。あかりは手紙の内容次第で“自分が自分でなくなる”と怖がる。真知子は「何も変わらない」と優しく声をかける。初音と錠、真知子の3人で中身を開けようとした時、あかりがある決意を持って現れる。
娘・千春のことばに打たれ、初音は、錠たち家族に、お好み焼きをふるまう。真知子は、千春が本当に食べたかったのは母の味だったことを知り、切なさに胸がつぶれる。「千春が尾道で食べた味を知りたい」と頭を下げる初音に、あかりと真知子は鉄板の前に立つ。初めて尾道のお好み焼きを口にした初音は、千春を受け入れてくれた村上家の優しさに、涙を流して感謝する。
お好み焼き屋の店主と、かつお節会社の社員という“二足のわらじ”を続けるあかりは、周囲から「中途半端になるのではないか」と心配される。そんななか、21年ぶりに初音が店に立つことになり、うわさを聞きつけた昔なじみの客たちが集まる。あかりは、初音の人気と客さばきに、次第に圧倒されていく。一方、尾道では、錠のもとに、高校生に鉄工所の仕事を教えるという話が舞い込む。
あかりは初音と店に立つことになるが、注文は初音が焼く昔なじみのお好み焼きばかりで店での居場所を次第に失っていく。一方、大阪で店を切り盛りするあかりに負けぬよう高校生の就職体験を引き受けた錠だったが、慣れない先生役に次第に自信を失っていく。そんななかあかりは偶然、生みの母親の秘密を耳にする。動揺するあかりは、店でも会社でも失態を犯してしまう。
あかりは父親につながる情報を知り仕事が手につかない。初音や鉄平は、あかりの姿を見て不安を募らせる。一方尾道では錠が真知子らの説得にもかかわらず、高校生の職業体験を断っていた。鉄平が鉄工所を辞めたことから「息子に仕事の魅力を伝えられなかった自分には、先生の資格がない」と言う。そんな中あかりは仕事がうまくいかず、次第に弱気になる。
あかりが企画した、料理教室の当日。連絡ミスで、講師が来ないハプニングが起きた。生徒が集まるなか、窮地に立たされたあかりを救ったのは、料理の知恵と経験が豊富な初音だった。あかりはますます落ち込み、ついに店か会社か、どちらかを辞めるよう究極の選択を突きつけられる。一方尾道には鉄平が現れ、錠に、あかりが父親の情報に揺れているさまを伝える。
店では注文が少なく、会社ではミス続き。自信を失ったあかりに、初音はどちらかに専念するよう決断を迫る。“失職した自分を採用してくれた浜勝に不義理をするわけにはいかず、ようやく軌道に乗り始めたお好み焼き屋を辞めるわけにはいかない”と、あかりは思い悩む。一方尾道では、錠が帰省した鉄平のことばに奮起し、高校生の職業体験に体当たりの研修を行っていた。
あかりは、初音にお好み焼き屋一筋でやっていくことを宣言する。店にかけた思いを聞かされ、初音はそれを許す。そして迎えた浜勝の出勤最後の日、盛大な“卒業式”が行われる。小夜子から「お好み焼き屋を開いて、浜勝のかつお節を使ってくれることが一番の恩返しや」という、ことばを贈られる。あかりは、浜勝の面々の思いを背に、気持ち新たに「おのみっちゃん」の仕事に乗りだす。
「おのみっちゃん」を開業して1か月。売り上げを見て、あかりと鉄平は、現実の厳しさに当惑しつつも、1日お好み焼き40枚を目標に、決意を新たにする。常連の伝や浜野に、無理やりお好み焼きを勧める鉄平だったが、それを見た滝沢が「売り上げを上げるのだったら、役立たずが、いなくなればいい」と鉄平に言い放つ。そんな折、ある少女が伝を訪ねて来る。
伝は家出してきた孫の美咲を一時的に預かることになるが、初音の作る料理を当てにして下宿の食卓に連れてくる。だが好き嫌いの多い美咲は文句ばかり。初音にしかり飛ばされた美咲は、あかりの店で五千円札を出してお好み焼きを注文する。一方、滝沢から「役立たず」と言われた鉄平と浜野は、名誉ばん回のため仕事に励んでいた。
あかりの店に入り浸る美咲を心配し、初音は伝に苦言を呈すが、伝は孫に厳しい顔を見せることができない。そんな折、店に現れた岩崎はあかりを商店街バンドの練習に誘う。その夜、あかりの部屋を訪ねてきた美咲は「トランペットを吹いてくれ」とあかりにせがむ。「何をやっても、つまらない」と言う美咲を案じ、あかりはバンドの練習に美咲を連れていくことに…。
鉄平が始めた出前の最初の客は、伝だった。手料理に挑戦したものの、失敗してしまったのだ。心を閉ざす孫・美咲を持て余す伝に、あかりは「初音の料理教室で鍛えてもらえばいい」と提案する。一念発起して料理教室に向かった伝は、何とか肉じゃがを習得するが、美咲は食べない。あかりが美咲を説得していると、初音は「自分の食べ物は自分で作れ」と手厳しくしかる。
あかりにお好み焼きを教えてもらい、美咲は挑戦する。自分の手で料理を作る喜びに笑顔を見せた美咲は、伝が作った肉じゃがに、はしを伸ばす。心を開き始めた美咲に、鉄平はあかりが養子であることを伝え「自分の人生は、自分で切り開け」と、げきを飛ばす。一方尾道では、欽也が真知子にお弁当を2つ作ってもらっていた謎が、老婆の出現で明らかになった。
あかりは、伝が料理を通して孫と心を通わせるのを目の当たりにし、「店を家庭のような場所にしたい」と初音に伝える。一方、滝沢から「役立たず」と言われ、一念発起した浜野は客の新規開拓に成功。鉄平が始めた出前サービスも、順調に売り上げを伸ばした。みんなでお祝いをしているところに滝沢が現れ、暴言をわびるが、浜野たちは逆に、駅伝大会を控えた滝沢を励ます。
あかりが、駅伝大会の予選会へ向かう滝沢を見送っていたころ、“福引きの賞品を当てよう”と初音たちは盛り上がっていた。滝沢の応援に向かった笹井たちから、区間賞を取った滝沢の勇姿を、あかりが聞かされていると、神田が血相を変えてやって来る。「特賞の温泉宿泊券が当たった」と言うのだ。一方、予選から滝沢が帰ってくるが、なぜかその表情は、さえなかった。
あかりは、滝沢から「甘い」と言われ、店の正月営業を決意。あかりが帰省しないことを知った錠は、隆円から「恋人が出来たのでは」と言われ疑心暗鬼になっていた。一方予選会で区間賞をとった滝沢が、都道府県対抗駅伝の選抜メンバーに選ばれ、コーチの根本は大喜び。だが会社の陸上部は廃部の危機にあり、根本も失職の憂き目にあっていた。
会社を辞めることになった根本が、あかりに滝沢の練習メニューを託していった。「せっかくのチャンスである都道府県対抗駅伝に、なぜ出ようとしないのか」と問うあかりに、滝沢は根本との出会いを話す。区間賞をとっても、会社が陸上部を廃部にしようとしていることに滝沢は無力感を覚えていた。あかりが滝沢を応援するさまを見た浜野は、笹井に温泉宿泊券を託す。
根本から託された練習メニューを前に、滝沢は都道府県対抗駅伝に出るべきか迷う。そんなことも知らず浜勝を訪れた根本は、「滝沢の移籍先が決まるまでスポンサーになってくれ」と頭を下げていた。浜野の意を受けた岩崎は、あかりにバンドのクリスマスライブに出るよう説得する。「店がある」と断るあかりに、初音は「その日は自分が店に立つ」と言う。
あかりは、根本から滝沢の移籍先を探すことがコーチとしてしてやれる最後の仕事だと言われ、都道府県対抗駅伝に出ないと言う滝沢の本意に気づく。一方、初音のもとを隆円が訪ね、千春の墓参りに尾道に来てはどうかと誘う。そしてクリスマスライブが始まる。あかりは根本をサンタクロースに仕立て、会場の客から滝沢へのプレゼントをもらおうとする。
あかりは、クリスマスライブの最後の曲で両親の思い出の曲「瀬戸の花嫁」を演奏する。会場にいた隆円は、尾道の錠と真知子に電話で、あかりの演奏を聴かせた。この日は錠と真知子の結婚記念日だったのだ。演奏が終わった後、隆円はあかりに「正月は尾道に帰って来い」と言い残して去る。その夜、あかりは初音に千春の墓参りに行こうと提案する。
年末、田中荘の下宿人は帰省し、あかりと初音は、尾道へといっしょに旅立つ。2人が出会った夏から、すでに1年半がたっていた。しかし、村上家に着くと、大掃除の真っ最中。手伝うと言う初音に対し、最初は遠慮をしていた真知子たちだが、いつしか騒動の中に初音を巻き込んでいく。だが、そのにぎやかさが初音の胸中に、亡き娘・千春が尾道で過ごした日々をよぎらせ…。
あかりと真知子は初音を伴い、千春の墓参りへ向かった。小さな墓石に焼きたてのお好み焼きを供えた時、初めて千春の死を実感した初音の目から涙がとめどなくあふれる。真知子から背を押され、あかりは初音と共に千春の墓に手を合わせ…。“千春のお骨を尾道に残そう”と決意した初音は尾道を去る間際、あかりに「なぜ千春が尾道に来たのか分かった」と言う。その理由とは…。
正月。尾道であかりと真知子が雑煮を作っていると、なぜか話題はあかりの結婚に…。それをムッと聞く錠だったが、雑煮で祝っているところに滝沢が現れ、あかりとの関係に疑心暗鬼になる。滝沢は隆円の誘いを受け、広島で行われる駅伝大会に向けた合宿をしていた。しかしトレーニング中、コーチの根本から「フォームが乱れている」と言われ…。
あかりは尾道で正月を過ごすが、大阪の店が気になってしかたがない。そんな娘の姿に錠は寂しさを募らせ「大阪に帰る」と言うあかりに、「帰るとは何事」と怒りだす始末。一方駅伝大会に向けて合宿中の滝沢は、古傷が原因でフォームを崩し、早めに大阪に戻ることになる。あかりが尾道で過ごす最後の日、錠が突然「今日は自分がお好み焼きを作る」と言い、あかりからコテを奪うが…。
あかりが初音のもとに帰ってくる。中岡や笹井も戻っていた。おのおのの雑煮の話で盛り上がるなか、初音は特別にシチューをふるまう。そんな折、膝の調子が悪い滝沢を訪ねて根本がやって来る。「大丈夫」と言う滝沢だったが、あかりはそんな滝沢の様子が不安でならなかった。滝沢は根本を振り切りトレーニングに出かけるが、滝沢が走り出したとたん…。
駅伝大会を目指す滝沢が練習中に足を傷め、病院に運ばれる。あかりは心配し、浜野に注文とは違うお好み焼きを出すほど仕事に集中できない。そんなあかりに、初音は「食べ物で商売するなら下手なものを出してはいけない」としかる。病院から戻った滝沢の診断結果は、ひざをかばって練習を続けたことが原因の疲労骨折。滝沢は、駅伝大会を棄権することになってしまう。
「ひろしま駅伝」への出場がかなわなかった滝沢のために、あかりは大会当日、初音と共に滝沢の地元の雑煮を作る。そこに込められた無言のメッセージを受け取り、滝沢は明るくふるまう。駅伝のテレビ中継を見ながら“滝沢の無念さ”に思いをはせる浜野たちは、部屋に閉じこもる滝沢のため、あかりにお好み焼きの出前を持って行かせる。あかりが滝沢の部屋を訪ねると…。
滝沢が、無念の出場辞退をした駅伝大会から一夜明け、田中荘では、あかりや下宿人たちが優しい気遣いをしていた。病院から帰ってきた滝沢に、根本が今後の身の振り方を問うが、滝沢から明確な答えはなく、根本は“引退を考えているのでは”と疑う。そんな折、小夜子が有馬を連れて店にやって来る。小夜子に思いをよせる神田はショックを受けるが…。
小夜子が有馬の会社に誘われ悩んでいることを知り、あかりと浜野はショックを受ける。そんな折、店に酔っ払いの中松がやって来る。あかりと鉄平は、応対に四苦八苦。見かねた初音は、長年の経験に裏打ちされた客さばきで中松を追い返す。あかりは覚悟のなさを反省する。一方浜野は根本を「浜勝」の社員に迎えようとするが…。
あかりは滝沢がシューズを捨てているところを目撃する。引退か現役続行かのはざまで揺れる滝沢の思いを知り、あかりは何も言えず落ち込む。一方「浜勝」では神田が浜野に食ってかかっていた。浜野は小夜子が転職しやすいよう、根本を社員に迎えようとしていたのだ。浜野の真意を知った小夜子はあかりに相談しようと店へ向かうが…。
あかりのもとに、有馬からプロポーズされた小夜子が酔っ払って訪れる。あかりは“この年で、今さら花嫁なんてみっともない”と結婚に思い切れない小夜子の悩みを優しく受けとめる。そんな折、店に再び中松が来る。あかりは戸惑うが、初音はあえて助け舟を出さない。持参した酒を飲もうとする中松に対し、あかりは自分なりのやり方で解決しようと決意するが…。
「好きや…」ついに神田は小夜子に告白するが、困惑する小夜子の表情を見て、自ら冗談に紛らわしてしまう。あかりは、店にやって来た小夜子を誘い、初音からロールキャベツの作り方を教わることに…。一方、長谷川の家でヤケ酒を飲む神田を迎えに浜野が来て、有馬からのプロポーズに戸惑う小夜子の手料理を神田に食べさせようとする。
結婚を決めた小夜子の退社が近づく「浜勝」では、入社した根本に小夜子が引き継ぎを進め、浜野は寂しい気持ちを隠せない。一方、引退するかどうかで悩む滝沢は、根本が再就職したことで陸上を続ける決意を固め、あかりは心から喜ぶ。そんななか小夜子と有馬の婚約パーティーが行われるが、神田が思わぬひと言を言い、場が凍りつく。
あかりが世話になった小夜子が、結婚のため「浜勝」を去った。そんななか、あかりのもとに父・錠が“ぎっくり腰”になり、鉄工所の仕事が回らないという知らせが届く。心配するあかりや初音をよそに、鉄平は、ひと事のよう。あかりは、ついに堪忍袋の緒が切れ、いつまでも大阪でフラフラ過ごす鉄平に怒りをぶつけるが、浜野から意外なことを聞かされる。
あかりから「帰りが遅い」と言われた鉄平は、意地になって出前のスピードを競っていた。尾道では錠のぎっくり腰によって鉄工所の仕事が納期に遅れ始め、真知子は大阪から戻らない鉄平の代わりに、新しい従業員を雇うことを決める。そんなことも知らず鉄平は出前に励んでいたが、あかりが店をひとりで切り盛りする姿に、自分が大阪にいる意味を改めて突きつけられる。
あかりに背中を押され、鉄平は尾道へ帰るが錠や真知子は厳しく接する。久太から「跡継ぎとしての自覚が足りない」と指摘され、認められるためには、どうしたらよいかと悩む。一方大阪では鉄平が出前に行った先で、さまざまなサービスをしていたことがわかり、あかりはきついことを言ったことを反省していた。そんななか謎の女性が店に来た。
のぞみは「ちはる」を探し、あかりの店を訪ねてきた。亡き母が残した写真を手がかりに、父親を捜していたのだ。あかりは同じ境遇に共感するが、のぞみが手にする写真に、若かりしころの神田が写っていて驚く。一方、鉄工所の仕事を手伝おうと尾道に戻った鉄平だが、職人から邪魔者扱いされていた。落ち込む鉄平に真知子は「なまはんかな気持ちではダメだ」と諭すが…。
あかりのもとに再びのぞみが現れ、神田が父親だと思っていたと語る。初音は、あかりが再び「実の父親」について思い悩むのではないかと心配する。一方、鉄平の必死の手伝いによって、何とか納期に間に合った尾道の鉄工所では、錠と真知子が鉄平を認め始めていた。そして鉄平は跡継ぎになる覚悟を錠に伝えるが、錠は鉄平に「大阪に帰れ」と言う。
あかりは、尾道に戻った鉄平から心温まるプレゼントを贈られる。それは、お好み焼き用の「鉄皿」。出前を注文するお客さんにも、お店で食べるのと同じように、温かいお好み焼きを食べてもらいたいという優しい心遣いだった。あかりは、ひとりでお好み焼き屋を切り盛りする決意を固め、長谷川と共に「おのみっちゃん」に、いつまでも鉄平の名前を残そうと、ある新メニューを開発することに…。
あかりの店に、のぞみが酔っ払って現れ、「一生独身を貫く」と婚約指輪を投げ捨てる。あげくの果て、あかりの部屋に一泊してしまう。心配する初音に神田は、「母親を頼りたかったのでは」と言うが、翌朝、のぞみは何事もなかったかのように出勤していく。一方、店の出前を滝沢たちが手伝っていたが、ついに回らなくなり、あかりはアルバイトを雇う決心をするが…。
アルバイト募集のチラシを貼るあかりの前に、のぞみが「会社から休暇を取れと言われた」と大きな荷物を持って現れる。あかりは「忘れ物」と婚約指輪を差し出すが、のぞみははぐらかしお好み焼きを食べ始める。そして出前の注文が入ると「自分が行く」と出前に行き、おまけに飛び込みで注文を取って来る。「休暇中、店の手伝いをする」と言うのぞみに、初音は同情的だが…。
のぞみは「あかりの店を手伝う」と言い朝8時に現れる気合いの入れよう。店に駄目出しをしていると、加奈が音大に合格したと報告に来る。のぞみは、自分のことのように喜ぶあかりを冷ややかに見る。婚約解消のいきさつを心配する神田に、相手は別の女性と結婚することになったと明るく告げる。初音は、のぞみの母が好きだったお好み焼きを焼くが…。
お好み焼きを何枚も食べるのぞみに、初音は「妊娠しているのでは」と指摘する。あかりは動揺を隠せないのぞみを気遣うが、のぞみは「友達の家に泊まる」と明るく帰ってゆく。しかし、加奈は「友達いるのかな」とつぶやく。翌朝、のぞみは検査の結果7週目だとわかる。のぞみは、あかりの制止を振り切って店に立つ。あかりには、のぞみの姿が千春と重なるが…。
のぞみが貧血で倒れ、あかりは自分の部屋で休ませる。一方、初音は神田から「のぞみの面倒をみてもらえないか」と頼まれ、揺れていた。初音もまた、女ひとりでおなかに子どもを抱えたのぞみを千春と重ねていた。そんななか、のぞみは笹井からおなかの子を「いのちですね」と言われ、動揺する。あかりは、相手の人に相談しないのかと切り出すが…。
のぞみは、初音の料理の音で目を覚ます。中岡たち下宿人に交じり、おいしそうに朝食を食べる、のぞみの姿に、あかりは自分の部屋に住んだらどうかと提案する。勝手なことは許さないと反対する初音だが、笹井までもが「自分が出ていく」と言う始末。「ここに住みたいとは、ひと言も言っていない」と反発するのぞみだが、洗い物を手伝ううちに、涙がほおを伝ってきて…。
あかりは、のぞみが会社も辞め、戻る家も無いことを知り、自分の部屋での同居を提案。初音は反対するが、押し切ってしまう。のぞみは、シングルマザーだった自分の母を知る神田に、「母のようになる気はない」と言い切る。あかりは、それを聞き不安になり、さらに初音に「のぞみのおなかの子と自分を重ねてはいけない。あの人は母親になるつもりはない」と言われ動揺する。
あかりと同居を始めたのぞみは「おなかの子の父親と話をつけてくる」と外出。のぞみは相手に「二度と会うことはない」とけじめをつけ、あかりに「父親って必要だと思う?」とつぶやく。のぞみが揺れていることを感じ、あかりは不安を深めてゆく。不機嫌に「子どもは、いらないと思っていた」と言うのぞみを、初音が激しく怒り、「あんたには母親になる資格がない」と一喝する。
あかりは、初音がのぞみに「覚悟がないなら、子どもを生むな」と言ったことに反発する。尾道の真知子はあかりが千春も同じように自分を生むことをためらっていたのではと思う気持ちを察して励ますが、あかりは体調を崩してしまう。下宿人の中岡たちは「みんなで育てよう」とのぞみを支えようとするが、のぞみは「甘えるつもりはない」と突っぱねる。
あかりがカゼをこじらせ高熱で寝込んでしまう。同居していたのぞみは、初音に「うつったらどうする」と言われ、初音の部屋に泊まることに。のぞみはあかりが村上家の養女であることを初めて聞かされる。一方あかりは見舞いに来た滝沢にのぞみと同じように千春も自分を産むことを悩んだのかもしれないと、揺れる気持ちを打ち明ける。それを聞いたのぞみは…。
あかりが寝込んだと聞き、浜野が見舞いに来る。その様子から滝沢は、浜野があかりに恋していると感じる。一方、村上家では、真知子が“あかりは、のぞみのおなかの子を自分に投影し、自分も望まれて生まれたわけではないのでは”と悩んでいることを察していた。電話で「あかりを産んだ千春は幸せそうだった」と力強く語る真知子のコトバに、あかりは母の思いを改めて感じる。
のぞみから「他人の子を育てた真知子はスゴイ」と言われ、あかりは「そんな簡単なことではない」と答える。のぞみは、その思いをくみ答えを出すと外出するが、夜になっても戻らない。あかりは心配し、初音と帰りを待つ。のぞみは閉店後に戻り「子どもを産む覚悟ができた」と言う。あかりは「出産を見届けたい」と言うが、初音は「下宿には置けない」と、かたくなに言い張り…。
のぞみが来て2か月。そんな折、初音が、知り合いの不幸で金沢へ向かう。あかりは留守を預かるが空き巣に入られてしまい、笹井が一番大事にしていた絵が盗まれる。そんななか、あかりの店に不審な客が現れ、伝は「泥棒に間違いない!」と色めきたつ。しかし実は、彼は岩崎が連れてきた、東京の作曲家・橘という人物であった。
あかりの店に、不審な客が現れる。伝が「昼間にウロウロしていた」という人物だ。あかりやのぞみが、その客にいろいろと質問するのを伝たちが聞いている。客が会計を済ませると、伝が「犯人に間違いない!」と色めきたつ。一方笹井の絵が盗まれてしまったことに、あかりは責任を感じる。笹井は「悪いのは泥棒だ」と、あかりを元気づけるのだが…。
夜になり、のぞみが不審な男を捕まえる。あかりや浜野が駆けつけ取り押さえると、欽也だった。大阪出張のついでに、真知子から預かった腹帯を持ってきたのだ。朝になり、笹井が行方不明になる。あかりたちは、笹井を捜しに出て行き初音も慌てて帰ってくる。そんな折、店に再び例の男が現れる。のぞみは必死に時間稼ぎをするのだが…。
あかりは、近所でうずくまっている笹井を見つける。「絵はきっと見つかる」とあかりは笹井を元気づける。その時、空き巣の犯人が捕まったという知らせが。しかし、笹井の絵は捨てられていた。失意の笹井に初音はお好み焼きを食べさせ励ます。そこに岩崎が例の男を連れて訪れる。彼が犯人でないことはわかった。彼は橘という東京の作曲家だった。
伝が塩村を連れ、初音のもとに来る。塩村は一冊の雑誌を見せ「昔、千春といっしょに来たのはこの男だ」と言う。それは岩崎が連れて来た客・橘だった。そんな折、加奈が大学の友人たちを連れて、あかりの店を訪れる。青春をおう歌している加奈の姿を見て、あかりは少し落ち込む。そんなあかりを浜野は励まそうとするが…。
民男から、うれしい知らせが届く。笹井が盗まれた絵を見つけたというのだ。久々に明るい雰囲気の夕食。そんな折、初音はのぞみに、あかりといっしょに安産祈願のお参りに行くよう勧める。お参り当日、連れだって行くあかりとのぞみ。見送る初音には、もうひとつ重要な用事があった。それは、橘が初音のもとを訪ねてくることだった。
あかりは、橘のトランペットを聴いたことから、父親だとは知らずに興味を持つようになった。一方、初音からの電話を受けた真知子は、錠や隆円と今後の対応を相談しあかりや息子たちにはないしょのまま大阪へと向かう。一方、大阪では浜野の計らいで橘によるあかりのトランペット特訓が間もなく行われようとしていた。
あかりは橘とのレッスンを緊張しつつも楽しんでいた。一方、錠と真知子は、田中荘へ到着。あかりが今まさに橘と会っていると聞いた錠は「父親にふさわしい人か見てみたい」と言いだす。しかし、橘とのレッスンで、ふだん自分には見せないようなあかりの純粋な笑顔を目の当たりにした錠は「あちらが本当の父親」とショックを受け、その場を静かに後にする。
ついに橘と対面の時を迎えた錠と真知子。しかし錠は、橘の顔をまともに見ることが出来ない。「父親と名乗るつもりはない」と言う橘に対し、真知子は「あかりは自分が生まれた意味を知りたいと、大阪に出て来た。一度、父親として会ってほしい」と懇願する。一方、橘への疑惑を少しずつ募らせていたあかりは、錠たちの帰り際に遭遇し、真実を問いただすことになるが…。
あかりがとうとう橘が自分の父親であることを知ってしまった。感情を爆発させてしまったあかりはそのまま自分の部屋へと駆け込んでしまう。初音やのぞみに諭されながら、コトバにならない思いを巡らせるあかり。長い夜が明け訪ねてきた岩崎が「橘に渡してくれと頼まれた」と、あかりに1通の封筒を手渡す。だが、その中には楽譜1枚が入っているだけだった。
橘が「おのみっちゃん」にやってきた。「忘れ物をした」と“尾道の豚玉”を注文した橘は、千春との尾道での思い出をあかりに語り始める。隣の食堂では、そんな2人の会話に初音や錠たちが静かに耳を傾けていた。やがて豚玉を食べ終わった橘は「女将(おかみ)さんの味を忘れない」と礼を言い、あかりも「お客さんの楽譜を大切にする」と互いに名のらないまま別れる。
あかりは橘からもらった楽譜を演奏し、どこかで聴いたことがある曲だと不思議に思う。すると真知子から、おなかのあかりに千春が吹いていた曲だと聞かされる。「千春さんが旅行したのが尾道でよかった。だから、お父ちゃんお母ちゃんと会えた」と言うあかりを真知子と錠は抱きしめる。一方、欽也は、のぞみとささいなことで口ゲンカに…。
橘と別れた翌日、あかりは、ぼんやりとトランペットを眺めていた。初音や、のぞみらは、あかりを気にかけ何も言えずにいた。そんな折、冬美が「家族旅行で新潟から大阪に来た」と、現れる。下宿人や浜勝のメンバーの変貌に驚く冬美。「何も変わってないのは、あかりだけ」という冬美に、あかりは「実の父親と会うことが出来た」と、みんなの前で語りだす。
あかりが橘から贈られた曲を、滝沢が聴いていたと知り、浜野は複雑な感情を抱く。その様子に冬美は、浜野が胸に秘めた思いに気づくが、あかりと滝沢の距離感が縮まっていることにも喜ぶ。一方、尾道では鉄平が「橘と会わないと言ったのは、あかりの本心なのか」と言ったことから錠とケンカになり、真知子が仲裁に入るが…。
あかりと橘のことで気を張り詰めていた真知子が過労のために入院した。錠はあかりに心配させまいと、鉄平が連絡するのを止める。一方あかりは、加奈に橘が父親だったことを伝え、尾道の両親がいかに自分を守ってくれていたか、感謝の気持ちを伝えていた。そんな折、冬美が鉄平に電話をしたことから、あかりは真知子の入院を知る。
あかりは真知子の入院を聞きつけ、尾道に駆けつける。店のことを心配する真知子や錠にあかりは「尾道に帰って来られてよかった」と本音を漏らす。橘が現れたことから、あかりの中で尾道や家族のことが大きくなり始めていた。大阪でも初音や冬美たちが、そんなあかりの気持ちを察し、“もう大阪には帰ってこないのでは”と感じ始めていた。
入院中の真知子に代わり、主婦役をこなすあかりは、これまで母親がどれだけ大変な思いをして子どもたちを育ててくれていたかに改めて気づく。あかりが揺れていることを心配する真知子は、橘と会いたかったら遠慮せずに会うように伝えるが、あかりには母の優しさがかえってつらい。一方、大阪では浜野が滝沢に、あかりのことをどう思っているのか問いただしていた。
退院した真知子を待ち受けていたのは、錠が作る、お好み焼きだった。久しぶりの一家団らんに、橘のことで揺れていたあかりの気持ちもほぐれてゆく。大阪に帰ったあかりは、初音に「村上あかりという名前が大好きになった」と報告した。そのころ、尾道には浜野が、あかりを訪ねて現れ、同じくして滝沢が福岡のチームに誘われていることが、あかりに伝わる。
滝沢の移籍先が福岡の実業団に決まり、あかりはショックを隠せない。一方、あかりに告白するため尾道に向かった浜野は、一足先に大阪に帰ったあかりと、すれ違いになるが、錠と真知子に「交際を認めてほしい」と迫る。錠は浜野に「あかりの気持ちを確かめてか ら話をしよう」と告げる。そのころ大阪では、滝沢が、あかりに「福岡にいっしょに来ないか」と話していた。
滝沢の思わぬ告白のせいで眠れなかったあかり。2人の間に微妙な空気が流れるなか、根本がビデオカメラを持ってきて「滝沢へのビデオメッセージを集めてほしい」と言う。一方、尾道から帰った浜野は、あかりに告白しようとするが、滝沢と離れることを寂しがる様子を見て出はなをくじかれる。引っ越しの準備をする滝沢は、あかりに「お好み焼きの作り方を教えてほしい」と頼むが…。
滝沢の移籍祝いのため、尾道から欽也が来た。欽也に「あかりのことをどう思っているのか」と問われた滝沢は「あかりに出会って自分は変われた、やっと帰る場所が出来た」と告白。一方、加奈に滝沢への気持ちを聞かれたあかりは「このままがいい、遠くに行っても友だちでいられるから」と本音を語る。そんななか、中岡たち下宿人は滝沢へのメッセージを撮影するが…。
滝沢が田中荘を旅立つ日が近づく中、あかりは初音に誘われて、滝沢の好物のひじきの煮物を作ることになる。料理をしながら、滝沢との思い出を語る2人。一方、浜野は荷造りをする滝沢のもとを訪れ、尾道の両親に会いに行ったことを告げる。そして、去る前に自分の気持ちをあかりにちゃんと伝えろと、滝沢に迫る。そんななか、昨夜ケンカ別れをした加奈が店に来る。
あかりは、岩崎のメッセージを撮るためにバンドの練習場所に来るが、浜野があかりを演奏に参加させ、その姿を滝沢に贈るビデオに収める。一方、引っ越し作業が終わった滝沢は、あかりに「部屋の掃除を手伝ってほしい」と頼み、もう一度思いを告げようとする。そして、とうとう別れの朝がやってきた。台所では初音が、滝沢にひじきの煮物の作り方を教えていたが…。
滝沢の旅立つ時が来る。しかし、あかりは、そっけない。初音は滝沢のために作った弁当をあかりに届けさせるが、素直になれないまま別れる2人。福岡のマンションに着いた滝沢は、根本からプレゼントされたビデオを手にする。そこには下宿人たちのメッセージと共に、あかりのメッセージも入っていた。一方、大阪では空っぽになった滝沢の部屋で、あかりが独り、たたずんでいた。
滝沢が福岡に旅立ってから4か月。あかりは、一度も連絡を取れないまま、滝沢への思いを募らせていた。同じころ、根本から、復帰のレースで滝沢が大阪に戻ることを知らされる。一方、もうすぐ臨月を迎える、のぞみの所に、欽也がライフプランを持って訪れる。あかりは、のぞみが出産後に田中荘を出るつもりだと知り、動揺していた。そんな時、滝沢から電話が…。
「優勝したら伝えたいことがある」と滝沢から言われたあかり。プロポーズするのではと周囲は盛り上がるが、あかりは戸惑うばかり。初音から本心を尋ねられ、「気がついたら滝沢のことばかり考えている」と答えると、初音に「店を閉めて、出て行ってもよい」と告げられ、ますます迷いは深まる。一方、のぞみに好意を寄せる中岡は、部屋探しを手伝うと申し出るが…。
あかりは、初音から「店を閉めてもよい」と告げられ、長谷川に相談するが、「あかりの幸せが初音の幸せ」と言われる。大会前日、滝沢は浜野と鉢合わせに。「優勝したらプロポーズする」と宣言する滝沢に、浜野は「優勝せんかったら、僕が言う」と切り返す。同じころ中岡が、のぞみに「家族にならないか」と突然のプロポーズをしていた。
のぞみにプロポーズした中岡は、ライフプランを提案しに来た欽也に、のぞみが結婚する形でもう一度書き直すよう要求する。驚く民男を心配するあかりに、民男は「本当は、この下宿を離れたくない」と本音を漏らす。そして、マラソン大会当日。あかりと浜野は、競技場に駆けつける。それぞれの運命をかけたレースが始まろうとしていた。
運命をかけたレースが始まった。懸命に応援するあかりの声援に応えるように、競技場に戻る滝沢は最後で先頭をとらえ、優勝を果たす。その勇姿を見た中岡は、欽也が再考したライフプランをもとに、再びのぞみにプロポーズするが、のぞみは「民男を、いちばんに考えてほしい」と答える。すると、今度は欽也が「おなかの子を守りたい」と告白して…。
中岡に続いて欽也がのぞみにプロポーズをし、あかりは驚きを隠せない。「のぞみのことをまるごと受け止めたい」と言う欽也の熱意に戸惑うのぞみ。そこに、レースで優勝した滝沢がやって来る。初音と楽しそうに店に立つあかりを見て、滝沢は告白を思いとどまる。福岡に戻る時間が迫り、店を後にする滝沢を、あかりは追いかけるが…。
滝沢からプロポーズを受けた、あかりは、滝沢への思いを深めてゆくが、店をたたんで福岡に旅立つ決心はつかない。そんなあかりの様子に、初音は、小夜子が持ち込んだ高齢者用マンションへの入居に、心が動かされてゆく。一方、のぞみにプロポーズした欽也は、錠と真知子に報告するが、思いがけず両親は反対のようで…。
あかりは、初音から滝沢のプロポーズにきちんと向き合うように言われるが、まるで福岡に行かせたいように見える初音に困惑する。一方、のぞみにプロポーズを断られた中岡は民男を連れて下宿を引き払うことを決めた。そんな中、のぞみのもとに、おなかの子どもの父親が現れ復縁を迫る。のぞみは、とっさに欽也と結婚すると口にする。欽也はそれを本気にし…。
あかりは、滝沢から「福岡に来てくれ」と言われ、揺れていた。そんなあかりの様子を見て、岩崎は「浜野となら、きっとよいパートナーになる」と言う。一方、初音は、“あかりの迷いは、自分やお好み焼き屋の存在のせいではないか”と考え、下宿を閉めることを考えていた。一方、のぞみは欽也のプロポーズに答えを出す決意をかためる。
あかりが滝沢からのプロポーズに答えが出せないまま、2週間がたった。中岡は下宿を去る準備を進め、民男を心配するあかりに、民男は「自分の人生は、自分で決めなければ」と答える。あかりは“のぞみが欽也のプロポーズに、どんな答えを出すのか”を目の当たりにすれば、自分も決断できるのではないかと考え、共に尾道に帰ることを決めるが…。
のぞみは、あかりと尾道に行き「欽也とは結婚するつもりはない」と伝える。怒る錠に対し、真知子は「夕飯を作る手伝いをしてくれ」と、のぞみを引きとめる。大所帯の料理の量に驚くのぞみに、真知子は自分が嫁ぐ時に母親が料理の特訓をしてくれたことを語り始める。一方、大阪では初音が民男に頼まれ、みそ汁の作り方を教えていた。
あかりたちと夕食を食べてから大阪に帰ることになった、のぞみは、真知子が作った料理を囲む中、村上家の温かさに涙が出た。そんななか、神田が来る。「のぞみが独りで子どもを育てる決意のようだ」と初音から聞き、“欽也が心変わりしたか、村上家の反対にあっているのでは”と、勘違いして来たのだ。村上家が騒然とするなか、ついに欽也が立ち上がる。
村上家で産気づいたのぞみは、大阪に戻ると言い張るが、錠から一喝され、尾道で出産することを決意する。あかりから、そのことを聞いた初音は、あかりの誕生に重ねて感慨にふける。いよいよ、のぞみを産院に連れて行こうとした時、欽也は「家で待っている」と言いだし、真知子は「全部引き受ける覚悟では、なかったのか」と諭すが…。
のぞみは元気な女の子を出産した。それに立ち会ったあかりは、真知子から千春が自分を産んだ日のことを聞き、涙を流す。錠は、欽也の覚悟が変わらないことを確かめ、ようやくのぞみとの結婚を認めた。一方、無事出産の知らせを聞いた田中荘の面々は、初音から料理を教わっていた。それは、笹井も下宿から旅立つ決意をしたことを意味していた。
あかりの二十歳の誕生日を前に、初音は田中荘を売り払う決意をしていた。“あかりが、お好み焼き屋に縛られ、恋や未来に消極的になっているのではないか”という、祖母としての気持ちだったが、あかりには自分勝手な思い込みに映る。あかりはなんとか下宿と店を維持しようと画策するが、初音にことごとく阻止されてしまう。そんななか、福岡から滝沢が、あかりを迎えに田中荘に来る。
滝沢が、あかりを迎えに来たことを喜ぶかのような初音の態度に、あかりは下宿を引き払おうと荷物をまとめ始める。戸惑う滝沢に、あかりは「福岡に来いと言ってくれたことへの返事」と答え、荷造りの手を止めない。一方小夜子から、あかりを止めないでよいのかと問われた浜野が、あかりの部屋に現れ、自暴自棄なあかりの様子に「約束が違う」と滝沢に詰め寄るが…。
笹井たち下宿人が旅立つ日、初音が最後の料理に作ったのは親子丼だった。かみしめるように食べるあかりだったが、いざ笹井たちが去ると、やはり寂しさはぬぐえない。そして、下宿に居座るあかりと、出て行けと口うるさい初音の溝が埋まらないまま、千春の分骨式の日がやってきた。初音について尾道にやってきたあかりは、式が終わるや、やりきれない気持ちをトランペットにぶつけるが…。
あかりと共に尾道のベッチャー祭りに参加した初音は、錠たちから「鬼に逃げまどっていた子が、いつしか鬼を追いかけ回し、やがて鬼の役になっていくのだ」と聞き、何かが振り切れる。「いつまでも追いかけたい、おばあちゃんでいてほしい」と言われた初音は、あかりのよきライバルでいることを決意する。そして春。田中荘は、あかりと初音が張り合いながら働く場所へと変わっていた。
シーズン1は全151話
一部の情報はTheTVDBから提供されています。
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